センセイと一緒 ～feel.Naoki～

松井さんはにこにこ笑いながら言う。

……その幸せそうな微笑み。

見ると、佑一も愛しげな目で松井さんを見ている。

これぞカップルという感じだ。

鈴菜は目を細め、二人を見ていた。


「じゃオレ達、そろそろ帰るから」

「またね～、森下さん」


二人は連れ立って図書室を出ていった。

いいな、幸せそうで……

とつい思ってしまうのは自分があまり幸せではないからなのだろうか。


「……」


受験生の本分は勉強だ。

……と思っても……。

鈴菜ははぁと息をつき、筆入れからペンを取りだした。