センセイと一緒 ~feel.Naoki~
――――10分後。
和泉は中庭で直樹と向かい合っていた。
「……で、何? 相談って?」
和泉は楽しげに直樹を見上げ、言う。
直樹はひとつ息をつき、腕を組んだ。
「単刀直入に言うよ。芹沢にひとつ協力してほしいことがある」
「何だい?」
「公園でもどこでもいい。君の名前で、森下さんを呼び出してほしい」
直樹の言葉に、和泉は一瞬驚いたように目を見開いた。
しばしの沈黙の後、肩を揺らして楽しそうに笑う。
「いいね、その打算的な感じ。優等生ぶってるあんたよりはるかにいいよ」
「……」
「しかしあんたにそこまでさせるとはね。さすがだね鈴は。って笑いごとじゃないか」