センセイと一緒 ~feel.Naoki~
2.偶然・・・?
翌日。
鈴菜は特進クラスである3年F組のドアをくぐった。
F組は各クラスからそれぞれ希望者が集まっているため、ほとんどが面識のない人だ。
……とりあえず、どこの席に座ればいいのだろうか。
と思いながらクラスの中を見回していた鈴菜に、後ろの方から声がかかる。
「森下さん」
聞き覚えのある、爽やかなテノールの声。
直樹だ。
鈴菜は呼ばれた方へと歩み寄った。
見ず知らずの人たちの中に見知った顔があると、なんとなくほっとする。
「この席、空いてるみたいだから。とりあえずここに座ってるといいよ」
「ありがとう、笠原君」
やはり直樹は親切だ。
鈴菜は鞄を置き、席に座った。
直樹が同じクラスで良かった。
鈴菜はしみじみ思いながら、LHRが始まるのを待った。