センセイと一緒 ~feel.Naoki~
と言いながらも和泉は実に楽しげに笑っている。
和泉はしばらくくすくすと笑った後、直樹を見た。
「あんたさ。鈴が学級委員になったのも、隣の席になったのも、全部あんたが仕組んだんだろ?」
「……良く知ってるな、芹沢」
「だって明らかにおかしいでしょ。F組はある意味寄せ集めだからそんなにおかしいと思われないかもしれないけど、B組でやったら一発でバレるよ、それ」
「確かにね」
直樹は頷いた。
和泉の言うとおり、それを見越してやったことは確かだ。
和泉は肩をすくめて口を開いた。
「あんたは本当に用意周到で打算的だよね。けれどそんなあんたが、鈴に対してだけは計算通りにできない。浜田の件も後手だったしね?」
「……」
「でもまあ、逆にそこがあんたの人間らしいところかもね?」
和泉はその美しい切れ長の目を細めて直樹を見上げた。
……その実に楽しげな瞳。
直樹は憮然とした表情で和泉を見下ろした。