センセイと一緒 ~feel.Naoki~
4.伝わる想い
金曜の夜。
鈴菜は自室の机でカリカリとノートにペンを走らせていた。
補講で勉強した内容の復習だ。
特進の勉強はキツいが、今のところはなんとかついていけている。
……それは8月に直樹の特別講義を受けたからかもしれない。
直樹はスパルタだったが、教え方はとても分かりやすかった。
きっと将来、いい先生になるだろう。
鈴菜ははぁと息をつき、ペンを止めた。
「……」
極力直樹と接触しないようにして、はや一週間。
さすがに直樹も避けられていることに気付いているはずだ。
けれど直樹はこれまでと同じように鈴菜に接しようとする。
そしてそれに、つい引かれてしまう自分がいる。
いくら避けようとしても……
直樹が好き、という気持ちは止められない。
声を掛けられると嬉しいし、笑顔を見ると胸がドキッとする。
これから、自分はどうしたらいいんだろう。