センセイと一緒 ~feel.Naoki~
何か問題があっても、和泉は努力してそれを乗り越えようとする。
多分、心の芯がしっかりしているのだろう。
和泉のそういう所は凄いなと思うし、見習わなければなと鈴菜も思う。
……と、そこまで考えた、その時。
ざっという足音とともに、視界の端に男物の黒いスニーカーが映った。
驚き、顔を上げた鈴菜の目に飛び込んできたのは……。
「……笠原君?」
鈴菜は目を真ん丸に見開き、直樹を見上げた。
直樹は黒いジーンズに白と紺のレイヤードシャツという格好で鈴菜の前に立っている。
まるでメンズモデルのようなその姿に、鈴菜は一瞬ドキッとした。
しかし、なぜ直樹が……。
と動揺する鈴菜に、直樹は苦笑して言った。
「……ごめんね、森下さん。騙してしまって」
「えっ……」