センセイと一緒 ~feel.Naoki~
「で、でも・・・。笠原君には、彼女がいるんじゃ・・・?」
鈴菜の言葉に。
直樹は驚いたように息を飲んだ。
・・・その、心底驚いたような表情。
そして続いた言葉に、今度は鈴菜が息を飲んだ。
「いないよ、彼女なんて」
「・・・え・・・」
「俺はこれまで、彼女がいたことはないよ。ファンはいたけどね」
彼女がいたことはない・・・・
鈴菜は足がふらっとし、よろめきかけた。
───直樹は嘘はつかない。
この2年の付き合いで、鈴菜もそれはよく知っている。
けれど・・・。
「・・・でも私、前に笠原君が校門のところで、女の子と一緒に居るのを見たの」
「・・・え?」
「長い黒髪の、綺麗な女の子・・・」