センセイと一緒 ~feel.Naoki~
そして10分後。
担任となる沢村先生が教室へと入ってきた。
沢村先生は50代の英語の女の先生で、毎年特進クラスを受け持っているベテランだ。
「ハイ、ではみなさん。これから一年、頑張りましょうね~」
特進クラスの担任の割にはのんびりした感じの先生だ。
けれど大学受験のノウハウはかなり持っているらしい。
沢村先生は手元のスケジュール帳をめくりながら口を開く。
「えっと、まずは委員決めね」
言いながら委員を一つずつ黒板に書いていく。
鈴菜はそれを見ながら、柊史もよくこうして黒板に書いていたことを思い出した。
もう見ることはないと思うとちょっと寂しい気もする。
それに……あの体育祭の時の……。
……。
今日の昼休み、和泉に相談してみよう。
と思いながら鈴菜は黒板を眺めていた。