センセイと一緒 ~feel.Naoki~
衝撃のあまり頭が真っ白になる。
直樹はふらつきかけた鈴菜の躰の後ろに手を回し、ぐいと抱き寄せた。
ふわりと鼻先をかすめる柑橘系の香り。
直樹の体温、均整のとれた胸板、力強い腕……
そして至近距離に迫る、端整な顔。
鈴菜は呆然と直樹を見上げていた。
「もう一度言うよ。俺は君が好きだ。俺と付き合ってほしい」
「……っ、笠原君……」
「君の返事が聞きたい。……答えて、森下さん?」
直樹はじっと鈴菜を見る。
胸の奥から熱い想いがこみ上げる。
鈴菜はそれに押されるように、こくりと頷いた。
「わ、私も……」
「……?」
「私も、笠原君が、好き」
それは精一杯の告白だった。
胸からあふれ出る想いを、必死に言葉にした。
――――次の瞬間。