天使⇔悪魔
「…あの、それが問題でもあるの?」
 
 
「はい。」
 
黒魔はすぐに答えた。
 
 
 
「あなたは死ぬ筈だったのに今、こうして生きている……
つまり、未来が変わってしまったということです。」
 
 
 
「…未来が変わった?」
 
 
「はい。」
 
 
「か…変わる前の未来はどうなってたの…?」
 
私は聞かずにはいられなかった。
 
 
「それは言えません。
掟として決められていますので。」
 
 
「…そっか。」
 
 
なんか少し残念。
 
 
 
「けど、これだけは言えます……
 
あなたが存在していることで、未来は百八十度違うのです。」
 
 
「‥私なんかが死んでも、何も変わるはずないじゃない……。」
 
 
 
「明友!」
 
 
それまでずっと黙って話を聞いていた白魔が、突然私の名前を呼んだ。
 
 
 
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