天使⇔悪魔
「ただいま…。」
 
 
「明友…!どうしたの、まだ学校終わってないでしょ!?」
 
 
「うん、おやすみ。」
 
 
 
「明友!何言ってるの!?熱でもあるの!?」
 
 
 
お母さんの言葉なんて、私の耳には入らなかった。
 
 
 
バタンッ
 
 
重い足どりで、自分の部屋に入る。
 
 
「………」
 
 
「………ぐすっ、」
 
 
 
「あれ…?
何で私泣いてるのよ…。」
 
 
何故か涙が溢れてきた。
 
 
私…黒魔のこと何にも知らなかった。
 
 
黒魔…かわいそう…。
 
辛かったんだろうな…。
苦しかったんだろうな…。
 
 
そう思うと不意に涙がこぼれてきた。
 
 
 
そっか……
 
私…黒魔のこと……。
 
 
 
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