天使⇔悪魔
「…聞き飽きた?」
 
 
「そうだ、この話を聞いた人間は全員そう言うのでね。
 
それで、最後の言葉はそれだけですか?」
 
 
 
 
ギュッッ
 
 
私は思わず黒魔を抱き締めた。
 
 
 
「離せっ…!」
 
「離さないっ!」
 
 
「離せって言ってんだろ!!」
 
 
次の瞬間、左腕にとてつもない痛みが走った。
 
 
「――痛っ―」
 
 
 
「離さないと次は首を切るぞ。」
 
 
「…それでも、私は離さない!!」
 
 
 
涙が溢れてくる。
 
 
「……ぐすっ…私は…絶対に黒魔を裏切ら…ないっ! 
 
だから…もう怖がらないで…。
大丈夫だから…。」
 
 
 
私は身体の震えが止まらなかった。
 
 
「だから私を…信じてっ…。」
 
 
 
< 39 / 122 >

この作品をシェア

pagetop