天使⇔悪魔
「……私と家族が地獄に…?」
 
 
私は動揺を隠せなかった。
 
 
「…おい、それ……。
本当かよ…。」
 
 
 
「だから…お願いです……!
僕はあなたを地獄へは逝かせたくありません……。」
 
 
 
「……んだよ、それ。」
 
 
「…白魔、けれどもこれは、魔王様のお決めになられたことなのです…。」
 
 
「…おい、黒魔。」
 
 
「何ですか…?」
 
 
 
「俺を魔王に会わせろっ!」
 
 
 
「……!!
会って何をするつもりですか!?」
 
 
 
「何をって……明友のことに決まってんだろっ!?」
 
 
「そんなことしたらっ……。
どうなるか分かっているのですか!?」
 
 
「…俺は別にどうなったって構わねぇ!」
 
 
 
……白魔…。
 
 
私のためにそこまで…。
 
 
何で?
 
私は白魔の気持ちに、答えてあげられなかったんだよ?
 
 
だからせめて白魔をこれ以上、傷つけたり巻き込んだりしたくない。
 
 
 
 
 
「……今、黒魔に私の命あげる…。」
 
 
 
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