秘密の素顔【密フェチ】
秘密の素顔
「で、契約は獲れたのか?」
怒気を帯びた課長の声が響き、営業室の空気が一気に張りつめた。
課長の前に立った男性社員は、肩を萎縮させて俯いている。課長はその姿を、ノンフレームの眼鏡越しに鋭く見つめていた。
涼やかな瞳は苛立ちで曇り、薄い唇はへの字に曲がっている。綺麗な顔が台無しだと、離れた席から見ていて思った。
「いつになく怖いな、課長」
「昨日も家に帰ったの深夜らしいぞ」
「課長は、人一倍頑張りすぎなんだよ」
「すげぇよな、マネできない」
周りに座った社員は、明日は我が身と心配しながらもコソコソと話していた。
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