Dream
第二夜『旅立ち』
「ね〜、リク〜ぅ」

「何だよ?」

「ちょっと、聞きたいことがあるんだけど」

私は、前を歩くリクに話しかけた。

「何?」

「私たちさ、出発するとき、隠れ家から、
色々荷物持ってきたけど…いいの?」

「ああ。隠れ家の主に許可は得てる。
てかさ、オレたち、何も持ってねーのにさ
あそこから食料や日用品、
ココの金とか持ち出さねーと、
飢えてすぐに行き倒れるぜ?」

「ぐ。た、確かに…。リクの言う通りだわ。
まぁ、許可あるなら、いいか。」

「そうそう。そうだ。言い忘れてたけど…。
ココって、パラディア国って言うらしい。
んでもって、オレたちみたいに
記憶がねーヤツのことを、
“記憶の旅人”って言って、
記憶の旅人は、国のなかのエリアは
フリーパスで通行できるんだってさ。
記憶の旅人は、パラディア国民から見ると、
額に紋章があるらしくて、それで、
記憶の旅人って判断するらしーぜ。」

「でもさ、リクの額、紋章なんてないよ?」

だーかーらーっ、記憶の旅人同士は
額の紋章なんて見えねーんだよ。」

「あ、そっか。パラディア国民だけなんだ」

「そ。さぁ、もうすぐ次のエリアに着くぜ。」

「うん!楽しみだな〜っ!」
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