欲情カタルシス
「愛斗…」


追い掛けて来た私を待ってたかのように、腕の中に抱き締める愛斗。

仕事用の眼鏡は上着のポケットの中。



「私…」


私の言葉を畳み掛けるように、唇で唇を塞いだ。


舌を差し入れて、蹂躙するような激しい動きで私の舌と絡め合わせる。



彼の暴挙に抗議して、胸板を叩くが、深いキスで身体の力を奪い去る。


意地悪な愛斗の態度に私は薄らと瞳に涙が浮かばせた。








私を見つめる愛斗の瞳は欲情に満ちて餓(かつ)えていた。



獣(ケダモノ)…そんな言葉がピッタリと似合う。



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