デュッセルドルフの針金師たち後編
アムステルダムを経て再びデュッセルドルフへ。アルトは
寂しく取締りが厳しくなってドイツ人しかやっていなかった。

日本人は皆エッセンへいったという。早速行ってみた。商店
街中央アーケードの中で10メートルおきに1人づつ日本人
がケッテを出している。5,6人ほどいた。全く知らない連中

だ。もう駄目だなここらへんは。早く車を買って全ドイツを回
ろう。今年のクリスマスのために。そして日本に帰ろうと決心
した。学園紛争も下火になり来春までなら復学できる。

マメタンも喜んで賛成してくれた。

デュッセルドルフでワーゲンのバリアント
というライトバンを買った。後ろで十分2人
寝れる。寝袋、アフガンコート、トルコリング、

火縄ライター、ケッテ道具と材料を積み込んで
コペンへ向かう。まだ半年しかたっていないのに
ずいぶん時が流れたような気がする。
< 15 / 61 >

この作品をシェア

pagetop