デュッセルドルフの針金師たち後編
第10章スペイン
バルセロナからアルハンブラへ
すばらしい快速列車だった。旅をしてるって感じだ。
マメタンもすごく華やいで見えた。ジュネーブ、南仏
からスペインへ。日差しが全然違う、やはりとても暖かい。
バルセロナは何かつっけんどんな変な町だ。パエリャや
トルチリア等の名物料理は今ひとつ。オリーブ味が強烈
だからだ。スーパデぺスカード海鮮スープとイカのから揚げ
は日本とおんなじ味でとても美味しかった。ガウディの
へんてこりんな教会へ行く。馬鹿でかい内部の中央に
設計図がデーンとガラス張りの箱の中に置かれていた。
一度には見切れないほど大きい。要するに何百年かかけて
建設中で今この辺と示してあるようだった。最上部まで登る。
直線が全くなくてどこもがまろまろとしていて、おもしろい
人だなガウディはと思ってしまう。頂上からあたりを見渡すと
中世港町風のバルセロナ、あちこちにぽつぽつとまろまろと
してへんてこりんな建物が見えたような気がする。
面白きこともなき世を面白く。学ぶ所多きバルセロナで
一泊して翌朝歴史の街グラナダへと向かう。・・・やはり、
アルハンブラの宮殿はことのほかすばらしかった。かつて
イスラムがこの地を制圧した名残の城だ。アラビア紋様の
支柱と壁。庭の植え込みはきれいに直線カットされていて
不気味なほど人工的であった。出口で日本人らしき人へ
声をかけたらアメリカ3世だった。日系でも3世となると
全く日本語を解しない。どんどん増えているのだろうなと思う。