怪談短編集
幕間・かくれんぼ
あの夏の昼。私は、不思議な体験をしたのでした。
夏休み、引っ越してきた私は、知らなかった。この町に伝わる、伝説を…。
「公園に行ってくる」
そう言って、私はマンションを出た。エレベーターで二階から一階に下りる。マンションから徒歩で五分のところに、その公園はあった。
公園の名前ははげつつあり、読めない。ただ、遊具がブランコと滑り台、シーソーしかない不思議な公園だ。
近くでは小さな子供がボール遊びや鬼ごっこをしていて、楽しげだ。
不思議なことに、遊具を使っている人はいない。
何で誰も使わないんだろう。