怪談短編集
一瞬、目の前が光った。
瞬きをして、もう一度、まわりを見ると、皆がいた。
洗濯物を取り込む主婦。
庭の手入れをするお婆さん。
買い物帰りのサラリーマン。
プール帰りの小学生。
私は、公園に戻った。
あの男の子がいるかもしれない、って思ったから。けど、いくら探しても、あの子はいなかった。
ふと、さっき男の子が向かった先の砂山を見て、私は息を呑んだ。
「鬼塚」
そんな立札があったから。私は、足元を見て、ハッとした。