怪談短編集
「潮の流れによってはいるだろうが、大丈夫。僕らはブイがあるところまでしかいけないから。サメは、その先にしかいないよ」
今度は先生、ちゃんと答える。
「せんせー、意地悪」
ジョーダンが頬を膨らませて、皆がドッと笑った。
「なあ、アレックス。ちょっと来いよ」
不意にバラーが言った。
「ん?」
「俺たちさ、皆より一足先にカヌーに乗らないか?」
バラーが悪戯っぽく笑う。
「え?」
俺は驚いた。