怪談短編集


「大丈夫だったかい?」

 俺たちは、そのボートに乗った。体がヌルヌルする。


 後で洗い流さなくちゃ。


「でも、なんだって、あんな船に乗っていたんだい?」

 俺とバラーは、それまでのいきさつを話した。

 もちろん、先生に黙ってこっそり…ってところはとばしたけど。


 このおじさんは面白くて、親しみやすいおじさんだった。

「カヌーが流されたのか。それじゃ、帰れぬー?」

 おじさんがぼける。

 駄洒落のつもりなんだろうけど、違うような…?


 その時だった。

「うわぁぁああっ!!」


 
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