怪談短編集
ネズミ駆除の業者は、昼間にやってきた。
ネズミが出たのは台所だけだということは、彼らが来る前に確認済み。
「とりあえず、この毒入りの餌を仕掛けておきますね。一週間、様子を見てください」
青いつなぎを着た中年のおじさん二人組。
彼らは、肉団子によく似た毒入りの餌を台所のあちらこちらに置き、いなくなった。
「早くいなくなってくれるといいね、ネズミ」
メロディは、台所を後にした。
自室で、読書をしていると、締め切ったドアの向こうで、何かが音をたてた。
!?
ドアを開ける。
「何だ、クールだったの…」
クールは、口から、灰色の物体を吐きだした。
「ひゃぁっ、ネズミ!?」