怪談短編集
朝食後、眠いからと言って、父は寝室に戻ってしまった。
母も、安全地帯である二階に戻ってしまったし、メロディは一人だった。
やることもないから、テレビを見ようとした、メロディの足に、何かが触れた。
「クール!?何してるの?」
クールは、口からネズミの死体を吐きだした。
どこかで、捕獲してきたのだろう。
…どこで?
台所に、クールの姿はなかった。クールは、二階のメロディの部屋にいたはずだ。
なのに。
何故、ネズミの死体をくわえているのだろう。
「ニャー」
褒めてくれと言わんばかりに鳴くクールを褒め、メロディは考える。