怪談短編集
ったく、嫌になる。毎日のようにある塾。まあ、あのホームレスのおじさんのことも気になるから、少しはありがたいかな?
僕は暑い中、駅まで歩いた。この夏休みだけで、かなり焼けるだろうな、僕。皮膚ガンとか、シミとか嫌なんだけどなあ。って、見た目気にしてる女子高生だな、これ。
改札口に定期券を入れて、プラットホームに足を踏み込んだ。
まだ、電車が来るまで十分ある。僕はホームレスのおじさんを捜した。
「あ、いた」
彼は、この間と同じ場所で寝転んでいた。彼の前を、痩せた少年が通る。
「…さんま」
やっぱり、聞くだけ聞いてみよう。
僕は彼の方へ向かった。