怪談短編集



 父は、そうか、と呟き、それから、汚れた服の洗濯に取り掛かり始めた。


 大人部屋に残されたメロディの耳元に、微かに聞こえた。


 カサカサカサ…。


 天井裏を、動き回る、足音が。

 昨日、聞いたあの音が。


 幻聴だろうか?

 否、おそらく、違う。

 
 メロディは、怖くなって、部屋を飛び出した。


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