怪談短編集



 翌朝、起きるとダレンがいなくなっていた。


 まさか、殺されたのか?


 オウムに殺された、祖父のように?



 背中を冷たい汗が伝ってく。


 でもそのとき、ガレージから、ダレンの吠える声が聞こえた。



 良かった、外につながれただけだったんだ。



 僕は、そっと、家を出た。


「ダレン、ゴメンな。家の中のゴタゴタが片付くまで、辛抱してくれ」



 ダレンは、僕の顔をしつこいくらいに嘗め回す。それから、大きく吠え、また僕の顔を嘗めてきた。


 そういえば、母が祖父は動物が大嫌いだったって言ってたよね。


 なのに、オウムを飼っていた。


 それって、オウムが悪魔に取りつかれていたから…?


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