怪談短編集




 オウムが、静かになった。


 僕が、本の最終ページを読み終えた時だった。



「ふーっ。悪魔祓い、成功!」


 僕は、額に浮かんだ汗を拭う。


 籠の中の紅い鳥は、呑気に眠っている。


 時計を見ると、悪魔祓いを始めてから実に三時間。長い闘いだった。



 さて、このニーズヘッグが散らかした部屋を、片付けなくちゃね。



 そのとき、ガレージの方で、大きな音がした。



 何だろう。



 嫌な予感がする。



 僕は、部屋を飛び出した。


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