怪談短編集




「ここだよ」




 古びた扉を開ける。キィィィという、軋んだ音がこだまし、



 ぶわっと埃が舞い上がる。




「ここの壁を全て剥がして、新しいのに貼り換えてほしいんだよ」




 結構広い部屋だが、日が沈む頃には終われそうだ。




「わかったよ」




 と言ったものの。どうやって、剥がすんだろ?




「おっと、作業には道具がいるね。待ってなさい、今、したから道具を持ってくるから」



 大叔母さんは部屋を出て行った。


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