怪談短編集

 —人。

 たしかにおじさんはそういった。

 じゃあ、あの人は人を食べたってこと?

 


 結局、五限目の内容も掃除の時の会話も抜けてしまうくらいに僕は動揺していた。でも、もしあの人が本当に人を食べたのなら、消えた女子高生の謎も説明がつく。彼女たちも…。

 そのとき、肩を叩かれた。

「え?」

 僕は後ろを向き、絶句した。

「また、会ったね」


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