怪談短編集

 そのブロックに差し掛かったときだ。肉屋の前に人がいるのが見えた。

「マーク?」

 彼、が振り向く。日に焼けた褐色の肌に金髪。

「やあ」

 やっぱり、マークだった。

「ここで何してるの?」
「見張り。父さんの店に、時々出入りする奴がいるから。ねえ、今何時?」

 サブリナはスマホを出した。

「九時半」
「そろそろ、交代かな。じゃあね」

 マークはニッコリ笑い、いなくなった。
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