怪談短編集
このままだと、僕が一人暮らしになりそうだ。だって、二人を止めるには母さんが要るみたいだから。
僕は、溜息を吐いた。
「僕、ここに残るよ」
父さんの、怒りの矛先が僕に向けられた。
「何を言ってんだ!中三が一人暮らしなんて…」
だからこそなんだよ、父さん。
「じゃあ、受験生の僕はどうなるのさ?環境が変わったら、成績下がって浪人しちゃうよ!」
姉が大爆笑する。
「あんた、何言ってるのよ?もう既に落ちるとこまで落ちてるじゃない」
塾行ってるのにね、と姉。
何だよ、そっちだって中三のときはこんなだったじゃないか。