怪談短編集
「で、相談って?」
トムがアクセルを踏む。
「うん。実は、覚えのない番号からメールが届くの」
「それはいけないな。番号を変えなきゃ」
「トム、この番号の主を調べられないかな?」
サブリナが言うと、スマホとにらめっこしていたトムが、
「君の友達、って、クラスメイトじゃないのかい?」
「ううん。クラスの子も隣のクラスの子のも番号は全部登録してあるわ」
トムが唸る。
「番号は調べられるけど」
「じゃあ、お願い」
「けど、個人情報だし、犯罪になりえない」
そんな…。
「ね、お願い」
「知り合いに携帯ショップの子がいるから、聞いてみるよ」