怪談短編集

 送り主がわかった今、恐怖はなくなっていた。

 でも、ルークだとして、どこに閉じ込められているのだろう。

 このメールが最初に届いたのは、廃屋の肉屋の前。単純に考えれば、そこに閉じ込められているだろう。

 サブリナは、時計を見た。今は夜の九時二十分。あの日、マークは九時半に見張り交代と言っていた。あの店までは十分。

 事の真相を確かめるには充分だろう。

 ベランダから、庭の芝生に飛び込んで、外へ飛び出す。足がジーンと痛んだが、今は気にしない。

 サブリナは例の店へ走り出した。

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