怪談短編集

 下りた先には冷凍室のプレートがくっついたドアがあった。


 「ここは寒い」

 
 ここ、だろう。大きなドアにはまた、鍵がかけられている。ひしゃげたピンを、穴に差してグリグリとやみくもに動かす。

 カシャン!!

 鍵が開いた。

 キィィと軋んだ音をたて、大きなドアが開く。

 冷気が、その場にあふれ出した。

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