怪談短編集
アリシアが、授業中のマックス先生の真似をした。
「とにかく、今から入場します。点呼するので館内に入ったら、展示室の前で待っていてください」
上ずった声に、誰かが、
「他の人の邪魔になりまーす」
先生をからかった。
「ねぇ、あのお婆さんも蝋人形かな?」
聞いてみると、ケイシィが大笑いした。
「ホントだ!!全然動かない!!」
券売り場に座り込んだお婆さんは、しわまでリアル。まるで、本物だ。
「では、進んでください」
先生が言った。
「ちゃんと数えてよ?」
ミネルバが、先生に念を押して、皆が爆笑した。