怪談短編集
「やっぱり、あのお婆さん、人形だ!!」トゥークが言った刹那、お婆さんの目がギロンと動いて、睨んできた。「あ、違ったみたい」
アリシアとリリーが、吹き出した。
「二、四、六、八、十、十二、十四、十六、十は…「ヒャホー!!」
エリックの大声に、先生が止まる。そして、首を傾げている隙に何人かがゾロゾロと先生の前を通っていく。
「皆、止まって!!何人まで数えたかわからなくなりました」
全員が、ドッと笑った。
点呼が終わったのは、それから十分後だった。
「いいですか、絶対に単独行動しないこと。それから、順路に沿って進むこと。グループ解散は次の展示室からです」
先生が、注意事項を説明し始めた。
「それから…」