怪談短編集
「どうしたの、トゥーク?」
アリシアが、不思議そうに。
「今、見たんだ。人間の、目だ!!」
リリーは、キョトンとし、ケイシィはしかめっ面をする。
「ホントだよ!ホントに見たんだ!!」
「ははーん。さては、俺たちを怖がらせようとしているね?だが、残念だったな。俺たちぁ、そんな幼稚な冗談に引っかかるほど間抜けじゃない」
駄目だ。事実なのに、受け入れてくれない。
トゥークは、これ以上何も言わなかった。
「ね、見てよ!これ、ジュリエットよ!!」
アリシアが、次の展示室の際にある、金髪の女優を指差して。そして、何を思ったのか、人形の手を掴んで揺らし始めた。
「…アリシア!!展示品に何してるの!?」