怪談短編集

 貴族の人形たちを見物して、展示室を出ると、次の展示室までは通路があった。

「見て、こんなところにドアがあるわ!!」

 リリーが言った。関係者以外立ち入り禁止。そう書かれたドアのノブをダメ元で捻る。

 あっさりと、ドアが開いた。

「開いちゃった!!」

 アリシアが困惑して。

「見て、中にはご馳走があるわ!」

 貴族が口にしそうなそれにつられて、女子二人が仲に入っていく。

 ケイシィも中に入ってしまった。トゥークもあとに続いた直後、ドアがしまった。

「わ、どうしよう!」

 慌てて、ドアを押す。

 ビクともしない。プロレスの選手が向こうからドアを押さえているみたいだ。

「その内、開くわよ。これ、食べたら?おいしいわよ」

 アリシアが肉にかぶりついた。

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