怪談短編集

 そのとき、天井裏で何かが動く気配がした。

 食事中のケイシィ、アリシア、リリーは気にしていないらしい。

 ケイシィが、パンをちぎり始めた。

 ガコン。

 何かが外れる音。直後、何かが降ってきた。

 蝋だ!!

 蝋は四人に分け隔てなく降りかかった。

 やっと、わかった。蝋人形のモデルが最近見かけない人ばかりだったことも、人間みたいだったことも。

 時が経てば、四人も、展示されるのだろう。二度と自由の効かぬ体で。

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