怪談短編集
家は三階建てで、駅からは離れている。多分、二十分はかかると思う。塾に行くときは早めに家を出ないとね。
せっかくの夏休みなのに、荷物整理だなんてやってられないよ。僕は、段ボールから出した服をクローゼットに放り込んだ。
そのとき、携帯が鳴った。
着信音からすると、メール。僕は携帯を開いた。
何だ、いとこの玲央くんだ。玲央くんは僕より二つ上の高校二年生。
東京に来たんだって?今度案内してやるからさ、楽しみにしててよね。
そっか。玲央くんも東京に住んでるんだっけ。お台場の方だから、ちょっと遠いけど。
うん、楽しみにしてる!
そう、返事すると僕は片付けに取り掛かった。さっさと終わらせるぞ!!