怪談短編集

2.ウサギの尻尾


「ね、見て!!」

 エリンに言われ、ジョンは彼女の指差す方を見た。

「占いの館ぁ?」

 ちっぽけなピンクのテントにはそんな看板がつけてあった。

 館じゃなくてテントだろ。ジョンは看板に突っ込みを入れた。

「へえ、タロット占いに水晶占い、願い事も叶えます、だってさ」

 ジルも言う。

「なーんにも見えないよぅ。二人とも、目いいんだね」

 エリンが目を細めて。

 あなたの視力が悪いんですよ。

 ジョンは苦笑した。

「でも、タロットかあ、珍しいなあ」
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