怪談短編集
占いのメニューの話だろう。残念なことに、三人とも案内されてしまったから、ジョンも占ってもらう羽目になった。
「俺はタロットも水晶も信じない。あんなの、どうせ出まかせだろ」
占い師に睨まれた。わ、しまった。
「信じるか否かはあなた次第です。さて、どなたからですか?」
エリンが名乗りを上げた。
「タロットですか、水晶ですか?」
「タロットで…」
会話が聞こえなくなった。幕を閉められたからだ。
少しして、笑顔のエリンが現れた。
「あー、すっきりした」
続いて、ジルが入っていく。
三分もすると、彼は肩を落として現れた。
「誰か身近な人がいなくなるって!出張中の親父だったらやだな」
どうやら、水晶占いだったようだ。
気乗りしないが、ジョンは幕の向こうに入った。