怪談短編集

 鏡に映ったのは、おじいさんだった。

 頭に僅かだが残った白髪

 しわのせいでたるんだ顔

 顔についたたくさんのしみ

 そして、今日ジョンが着ていた若者の服を着用していた。

「…?」

 ジョンは、右手を挙げる。鏡の中の老人も右手を挙げた。

—あとで、後悔しても知りませんよ。

 ジョンは、後悔した。

—早く、年を取りたい。

 そう願ったことに。ただ、あの遊び場に入れるくらいの年齢に早くなりたかっただけなのに。

「うわあああぁぁぁぁぁ!」

 ジョンは、時間も場所も気にせず叫んだ。

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