【完】七夕〜六色目のあなた〜
七夕〜六色目のあなた〜
七月七日。
一年前、私は彼と別れた。
忘れていたと思っていたのに、思い出してしまうのは、織姫と彦星のロマンティックなお話にヤキモチを焼いてしまったからだろう。
「もう、終わりにしよう……」
言い出したのは私だった。
織姫と彦星は一年に一度逢う為に頑張っているというのに、私は彼に三ヶ月逢えないだけで、彼を諦めた。
恋人達の夜…そんな七夕の日に、
「逢えない」
と言った彼に、我慢が出来なかったのだ。
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