【完】七夕〜六色目のあなた〜
「もしもし……?」
『おう、元気だったか?』
「うん。元気だよ」
別れたなんて思えないくらい、彼からの電話はいつも通りで、一年も経っていたはずなのに、話をしたのがつい最近のような。
そんな錯覚までした。
『今年も、飾ったんだ』
「もしかして、笹飾?」
『うん。今年は兄貴の子どもも一緒になって作ったから、かなり豪勢だよ。写メ送ったから見てみて』
「うん、ありがとう……」
私は電話を切ってメールを確認した。