覚醒彼女~君と生きたい~
僕から見ると。


笑ってかわす会話の中にも
何か互いを監視するような…。

そんな違和感を覚えた。


だけど、
法律によってこの地区は治められていた。


人が住まう所は拙いながらも整備がされている。


雨でなければここは賑わっていたことだろう。


僕には読むことはできないけどそれぞれの建物には文字が書かれた板がある。


僕たちは建物の軒下で雨をしのいでいた。


「ここ、なんでよったの??」


僕は疑問を投げかけた。


「この世界で1番、平穏だって聞いたから。
こんな世界の平穏がどんなものか見ておきたかったの」


「平穏なんだ…ふぅん…」


「雨…、止まないね…」


ノアは、少しだけ変わったように感じる。


無邪気に笑っていたのに、今はどこか遠くを見つめているように感じる。


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