覚醒彼女~君と生きたい~
「ほら、あったまるから飲みな。」


マナさんの家に着くと、温かい飲み物を出してくれた。


口に含むと甘い味が全体に広がった。


「おいしい…」


「だろう?冷えた身体には、あったかいものが一番さ」


マナさんが笑った。
つられて、僕たちも。


「ところで…。
止まない雨って…どういうことですか?」


僕は口を開いた。


すると、マナさんは渋い顔になった。


「…ここは、もともと雨の多い地域だったらしいんだけどね…。数十年前から止まないんだ。おかげで、水が溢れて下流の町は今じゃ水の底だよ。」


マナさんは、ため息をついて
俯く。


同じようにノアも俯いた。


止まない雨…。
それすらも世界の破滅への
序章なんだろうか。


なぜ、こんなにも
命が消えてしまうんだ。


消えた命に憤りを感じるのに、僕は―…。


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