覚醒彼女~君と生きたい~
「ふぁ~あ、
こんな夜も明けないうちに出ちまうなんて気が早いねぇ~…。」
マナさんは、パジャマ姿で僕たちを見送る。
「すみません。おやすみのところ起こしてしまって。それに、朝食まで用意して頂いて…。」
僕がそう言うと、マナさんは僕の手にそっと包みを渡して広げた。
「途中、腹も減るだろうから貰っていきな。ロックのいるところまでは遠いからね。」
包みの中は、マナさん手づくりの料理だった。
僕はお礼を伝えると、その包みを大事そうに抱えた。
「あの…、ロックさんの家の目印ってありませんか??
ずっと下って行くだけじゃ、よくわからなくて…。」
ノアが尋ねる。
そういえば、川を下るしか聞いてなかった。
「赤い屋根。それが目印だよ。」
「赤い屋根…??」
「そう。それが目印だ。なに、すぐわかるよ。」
マナさんはそれ以外は、語ってくれなかった。