覚醒彼女~君と生きたい~
ここから歩くのは、いくらなんでも危険だ。


そう考え僕はノアに向けて、苦い顔をして首を振った。


だけど、ノアは
どうしても、と僕の手を握りしめた。


「こんな雨なんだよ?近くには川だってあるし危ない。」


「そう…だけど…。歩きたい。見たいの…。」


そうだった。
僕たちは、世界を見るんだ。


「…じゃあ、降りようか。」


僕たちは方舟から降りて、
雨の中歩くことにした。


傘をさし、そこを歩く。


足場は悪く、ぬかるみ、
歩きにくい。


雨が止めばいいのに、そう思う。


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